歴史を学んでいると、「歴史は繰り返される」という言葉を実感することがあります。
聖書と古代エジプトの歴史を独自の視点から研究するRALPH ELLIS氏は、その好例としてスコットランドのスチュアート朝を取り上げています。
一見すると、古代エジプトと中世スコットランドには何の関係もないように思えます。しかしエリス氏は、この二つの歴史の間に興味深い共通点を見出しています。
スチュアート朝の始まり
スチュアート朝の祖先は、もともと王ではありませんでした。
彼らはスコットランド王家に仕える「Steward(執事・家令)」という役職を代々受け継いでいました。
ところが時代が下るにつれて、その執事の家系が王家と婚姻関係を結び、やがて王位そのものを継承することになります。
その結果、
Steward(執事)
↓
Stewart(家名)
↓
スチュアート王家
という歴史が生まれました。
役職名が家名となり、ついには王朝名となったのです。
ヨセフは名前ではなく称号だった?
エリス氏は、このスチュアート朝の事例を古代エジプトに当てはめます。
彼によれば、「ヨセフ(Joseph)」は単なる個人名ではなく、代々受け継がれた称号だった可能性があります。
古代の記録には、
- ヨセフ(Joseph)
- オサルセフ(Osarseph)
- ペテルセフ(Peterseph)
など、似た名前を持つ人物が登場します。
エリス氏は、これらに共通する「セフ(Seph)」に注目しました。
そして、
「ヨセフ」とは特定の一人を指す名前ではなく、王家に仕える高位祭司や宰相に与えられた称号だったのではないかと考えます。
ヨセフ家は祭司王の家系だったのか
さらにエリス氏は、ヨセフの一族が単なる王族ではなく祭司の家系でもあったと主張します。
古代世界では、王家の一族が神殿の祭司職を兼ねることは珍しくありませんでした。
そうすることで、
- 政治権力
- 宗教権力
の両方を掌握することができたからです。
エリス氏によれば、
ヨセフ
↓
ユヤ
↓
モーセ
という流れで、同じ家系が王権と祭司権の両方を維持していた可能性があります。
モーセも「ヨセフ」の後継者?
ユダヤ人歴史家ヨセフスが引用した古代エジプトの神官マネトーは、モーセを「オサルセフ」と呼んでいます。
エリス氏は、
オサルセフ=オシリスの息子
という意味であり、これは祭司としての称号であったと考えます。
また別の記録では、モーセの書記官が「ペテルセフ」と呼ばれていました。
もしこれらが称号であるならば、「ヨセフ」という名前は一族の中で代々継承された可能性があります。
つまり、
最初のヨセフ
↓
代々の祭司・宰相
↓
モーセ
という系譜が存在したかもしれないのです。
歴史は繰り返される
RALPH ELLIS氏がスチュアート朝を例に挙げる理由はここにあります。
執事(Steward)が王となったように
祭司や宰相として仕えていたヨセフ家も、やがて王権の中心へ戻った可能性があるというのです。
もちろん、これは主流の聖書学やエジプト学で支持されている説ではありません。
しかし、
「役職が家名となり、やがて王朝になる」
という歴史的な前例が存在することは事実です。
歴史を振り返ると、支配者が変わっても血筋や権力構造は意外な形で生き残り続けることがあります。
スチュアート朝とヨセフ家の比較は、
「歴史は繰り返される」
という言葉の意味を改めて考えさせてくれる興味深い視点ではないでしょうか。
♯ヨセフ
♯スチュアート朝
♯ RALPH ELLIS

